人事労務ニュース
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文書作成日:2026/07/28

2026年8月から変わる健康保険の高額療養費制度

 健康保険には、医療機関や薬局でマイナ保険証等を利用すること等により、診察・処置・投薬などの治療を一部の負担額(自己負担額)で受けることができます(療養の給付)。これに加え、自己負担額が大きくなりすぎることを防ぐため、高額療養費制度が設けられています。2026年8月より、この高額療養費制度が変わることから、協会けんぽにおける制度の変更点を確認しましょう。

[1]高額療養費制度とは
 高額療養費制度とは、重い病気などで病院等に長期入院したり、治療が長引いたりする場合に、一定の金額である「自己負担限度額」を超えた部分が払い戻されるものです。マイナ保険証を利用したり、限度額適用認定証を利用したりすることで、本来は自己負担限度額を超えた額を一旦立て替えて払い戻しを受ける必要があるところ、医療機関や薬局での支払いを自己負担限度額とすることができます。
 この自己負担限度額は、受診者の年齢と、従業員の健康保険の標準報酬月額に基づく所得区分によって決められており、原則として、所得が高くなるほど、自己負担限度額も高くなります。
 また、直近12ヶ月の間に3ヶ月以上の高額療養費制度を利用した場合には、4ヶ月目から「多数該当」となり、自己負担限度額がさらに軽減される仕組みがあります。

[2]自己負担限度額の引上げ
 2026年8月の変更では、自己負担限度額が引き上げられます。例えば、70歳未満で標準報酬月額が28万円から50万円までの範囲に当てはまる場合には、以下のようになります。

[変更前(〜2026年7月)]
 80,100円+(総医療費−267,000円)×1%
[変更後(2026年8月〜)]
 85,800円+(総医療費−286,000円)×1%

 ただし、多数該当となった場合の自己負担限度額は据え置かれています。

[3]年間上限の新設
 自己負担限度額が引き上げられる一方で、長期療養者への配慮として、新たに「年間上限」の制度が導入されます。高額療養費は、1ヶ月単位の自己負担限度額に到達した場合に、自己負担限度額を超えたものが払い戻される仕組みですが、自己負担限度額に達しない場合であっても、年間上限額に達した場合には、その年において年間上限額を超える負担が不要となるものです。この年間とは8月から翌年7月までを指します。
 これまで多数該当に該当しなかった人や、極めて高額な医療を受けた人に対する負担が軽減されます。

 高額療養費制度は、2027年8月にも所得区分を細分化される変更が行われます。長期療養をしている従業員や、今後、大きな手術を受ける従業員等には改正内容のお知らせをしておきたいものです。

■参考リンク
協会けんぽ「【制度改正】令和8年8月から高額療養費制度が見直されます

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

社会保険労務士法人アムシス

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